自己紹介その3(スクール開催のいきさつ)

また、作品販売の傍ら、スクールも開催していました。地元のチャレンジショップをやっているときに「教えてほしい」と熱心におっしゃってくださるお客さんの存在や、地元のカルチャースクールの店長さんから強力なスカウトを受けたのをきっかけに、飯のタネなので本当は教えたくないという自分の殻を破り、26歳から教室を始めていました。

やってみると、自分が作るのと人に教えるのとでは、まったく別の能力や注意力、テキストに落とし込む頭脳やキットづくりの計画と仕入れと細かな作業など、膨大な事務仕事が発生することがわかりました。

事務仕事はかなり苦手の私。組織力ゼロで個人で教室をやっていくには、とてもじゃないけれど、カルチャースクールの講師料ではまったく割に合わず、早々に独立してマイペースに開講しました。

独立したところで苦労はあまり変わりませんでしたが、時間や場所などを自由に選択できること、インターネットのおかげで広告料ゼロで個人で発信するだけでも、それなりに来るべき方が来てくださったので、細くても長く続けることができました。

遠くからは京都、松山、北海道からも、高い交通費と安くはない受講料を支払って通い続けてくださる方がいらっしゃいました。

しかし、当時はまだメソッドの完成度もカリキュラムも十分ではなく、生徒さんに対して十分な満足をご提供することができなかったのではと思います。

その後結婚と出産でいったん教室がお休み状態になったのを機に、改めて極限まで自分自身と向き合って、シリコン素材とワイヤーの組み合わせ方法を試行錯誤し、「シリカジュール」技法を編み出すに至りました。

何度もあきらめそうになりながらも挑戦して出来上がった「大山桜」を見て、いつのまにか自分の中で確信となっていた「身に着ける立体の絵画」という、アートワイヤージュエリーのコンセプトが、ようやく実現したと確信しました。

「大山桜(ネックレス)」

ファインジュエリーと比べると低く見られがちなワイヤーアクセサリーに「アートワイヤー“ジュエリー”」と名付けてしまった自分、大胆にも「身に着ける立体の絵画」という大げさなコンセプトを掲げてしまっていた自分がいましたが、

「名は体を表す」を信じ、現状がどうあれ、理想を思い求め続けてきたからこそ降りてきたインスピレーションで、生まれてきてくれた作品なんだと感じています。

難しいと言われたワイヤーテクニックに、さらに難しく手間のかかるシリコン素材との組み合わせ。失敗を恐れずに作り上げようという強い意志と忍耐が必要で、ついて来てくださる方がいらっしゃるのだろうか?と思いつつも、いや、広い世界の中には、これを待っている方がきっといらっしゃるはずだから、その方の踏み台になりましょうという思いで、これまでの全てのメソッドを動画に落とし込むつもりでいます。

一度習ったからといってすぐ身につくものではないらしく、作り方を忘れちゃったとか、出産をするので泣く泣く通うことを辞められる方もしばしばでした。そういう生徒さん達の様子を受けて、いつか生徒さんの旅費の負担や時間の縛りをなくし、何度も見返すことができるような、動画配信型のスクールをやりたいと思うようになりました。

そういうわけで現在、「いつでも、どこでも、何度でも」をコンセプトに動画配信型のスクールになっています。これまで様々なコストを負担しながら、当方のスクールに通ってきてくださった会員の方達のおかげです。

今は関西など遠くにお住いの会員さんも、お好きなものをお好きなタイミングで動画を観るだけでご自身の力で作品を作り上げられ、またご自身の作品に融合することで見たことのない素敵な世界を展開され、プロとしてご活躍されたりしています。

あなたもぜひ、この世界を堪能されませんか?

人に知られないようにこっそり入会し、私に顔を知られずに動画を見まくり、報告せずに類似作品を販売したり、展示会をされてもかまいません。ワークショップに参加してくださったり、作品の発表について報告していただけたらもちろん嬉しいですが、私とコンタクトをとる事で、あなたの中で何らかの心理的な縛りやストレスができてしまうようであれば、そのようなことをする必要はまったくありません。

どこまでもマイペースに、誰にも何にも縛られず、どこまでも自分自身のために自由に利用できる、丸くて柔らかいイメージのスクールを目指しています。